アラビアルスカについて
紅葉を意味する言葉RUSKA(ルスカ)
1961年。アラビアを代表するUlla Procope(ウラ・プロコペ)によってデザインされ約40年と言う長い間作り続けられた不朽の名作Ruska(ルスカ)が発表されました。
30種類以上ものカップやプレートなど多くの違った形がが作られているシリーズです。

フィンランド語で「紅葉」を意味するRuska。
アラビアの商品の中でも特に有名なこのシリーズ。
実は陶器ではなくて磁器なんです。
ここで簡単に陶器と磁器の違いを説明しますね。
ポイントは3つ。
①原材料の違い
②焼き方の違い
③見た目の違い
①原材料の違い
大まかに言うと「土」から出来ているか「石」から出来たいるかの違い。
原料になる粘土の違いによってどちらに分類するかが決まります。
陶器の事を「土もの」、磁器の事を「石もの」と言うこともあります。
②焼き方の違い
焼成温度は、陶器より磁器のほうが100度くらい高いのが普通です。
陶器は主成分が粘土、磁器は主成分が陶石(とうせき)という石の粉末で陶石の方が耐火度が高いのです。
③見た目の違い
陶器を土もの、磁器を石ものというように、陶器は暖かい味わいや表面の素朴な風合いが楽しく、逆に磁器は白くガラスのような滑らかさ硬質さが魅力です。
ここで話をルスカに戻すと、このルスカシリーズは石の粉を高温で焼き上げ、とても濃く、硬く作られている食器なのです。
ここが大きなポイント。
オーブンプルーフの食器の先駆者と言える特長です。
ずっしりと肉厚で安定感のあるお皿。保温力もバツグンで、オーブンであらかじめ暖めておいたお皿に料理を盛る。
なんてことも可能です。
暖かいお皿なんて一流ホテルのサービスみたいですよね。
そしてもう1つ。
ルスカの大きな特徴でもあり、魅力でもある「風合い」。
独特の抽薬により、一つとして同じ風合いの作品はなく、手にしたルスカは世界に一つだけのあなただけの「RUSKA」となります。
この「ハンドメイド」の雰囲気、「オリジナル感」を残したため1961年の発売以来、1999年までの約40年と言う長い間作られ続け、そして今もなおファンが後を絶たないのだと思います。

出展:Instagram(@Tenkaraten)
さて、その風合いですが、大きく分けると主に4種類に分類されます。(マスタード、メレンゲ、チョコレート、ダークブラウン)
マスタードのような明るいブラウンから、ミルクチョコレートを連想させるブラウン、そして黒に近いダークブラウンまでその変化は幅広い物です。

出展:Instagram(@nomadmaya)
上の写真の右側に写っているのが代表的マスタードブラウンカラー。
手前に一番大きく写っているのがダークブラウンになります。
同じシリーズの商品なのに、焼き上がりの色がここまで違うのも面白いですね。

出展:Instagram(@goodolddaysuk)
色んな茶色が混ざった斑タイプ。
比較的斑が大きい物。

出展:Instagram(@megmuu)
こちらは手前のリム部分がマスタードブラウン。
お皿の面がのっぺりとしたダークブラウン。
リム奥側がダークブラウンの濃い斑になっています。
これが「同じなのに同じではない、世界に1つのルスカ」と言われる理由です。
また、アラビアは1950年代の後半にオーブンプルーフのセラミック素材の開発に成功。
ルスカはまさにその初めの製品でした。
これは当時のキッチンにとっての大革命。
オーブンで調理するためのキッチンウエアがそのままテーブルウエアに早変わりするのです。
オーブンで出来上がった料理をお皿に移し変える必要がなくなる。
主婦には嬉しい悲鳴ですね。
もう1つ。
ルスカのフォルムについて。
ルスカシリーズには「S-model(Sモデル)」と言う形が採用されています。
ロスマリンやアネモネ、ルイージャと言ったアラビアの有名シリーズにも採用されているこの「S-model」。
使い勝手の良さから様々なシリーズとして発売され不朽の名作としても名高いシリーズです。
ルスカもこの「S-model」の代表作品のひとつです。
コメント